何時

欠陥製品 杉原逸月

パピコの相方

歳を取れば取るほど、何かを得る物だと思っていた。

 

最近、気づいたことがある。

気付けば気付くほど、つまらなくなっていく事に。

 

もっと沢山のことを好きになれると思った。

歳を取っても好きなものは増えない。

 

エネルギーがなくなって行くのを日々感じる。

そこまでの労力を使って、何かをしたいとか、何かを得たいとか、そう言った衝動に駆られる瞬間が無くなっていく。

 

誰かを好きになれると思ったのに、興味が無くなってしまった。

アイツが一番おもしれーや。

アイツらと居るのが一番たのしーや。

 

早く家に帰っても、やりたい事は無い。

やらなきゃいけないような気がする事に、何となく急かされている気分。

落ち着かないけど、向き合う気力は無い。

 

才能が無いなら、いっそ辞めてしまえばいい。

楽しく無いなら、捨ててしまえばいい。

 

諦められるなら、それが一番楽だ。

いっそ楽になりたいとすら思う。

全て諦めた中で、自分が譲られない物を明確にしていく。

 

何になりたいとか、どうなりたいとか。

誰かの期待とか、みんなの希望とか。

世界平和とか、愛とか恋とか。

そんな事よりも、今日の残りの、

冷凍庫に入ってるパピコの相方が楽しみである。

 

片手で足りる程度の好きな事を、死ぬまでやれたら別にいい。

別に好きじゃなくても、楽しかったらそれでいい。

 

日々適当になって、鈍感になっていく事で、楽を手に入れた。

引き換えに、あの時の興奮を捨てたような、そんな気がする。

 

日々、自分の退屈さに嫌気がさす。

適当な作り話の1つや2つ作って、子どもに聞かせてやりたいような、そんな気分だ。

そんな事が出来たなら、俺はこんな文を綴らない。

 

文を書くのは楽だが、タイトルをつけるのが苦手で、いつも消してしまう。

まぁ、何でもいいか。

 

2021年9月2日0時11分