何時

欠陥製品 杉原逸月

2021/11/9

誰かさんに酒をこぼされて、

シケたタバコが乾いたから捨てた。

思えばいつもそんな生き方だったように思う。

 

10分やそこらのシャワーで1日の汚れは洗い流せたとしても

20年間の罪や、呪いは清算出来ないのだ。

 

どうせいつか死ぬからって、

サボって堕落する程の度胸も無く、

怒られるのが嫌いで、それなりに上手く切り抜けてきた。

 

この一年で、何が出来るようになったかと思い返せば、

少し大きな声が出せるようになったくらいで、何も変わっちゃいない。

きっと、12歳から何も変わっちゃいない。

 

突き抜けないなと誰かが俺に言う。

どこまで行ったら突き抜けたと感じるのか。

その時俺は突き抜けたと感じるのか。

俺には分からない。

 

物を知るほど、つまらなくなる。

経験すればするほど、目新しいものが無くなる。

同じものに感動し続けられるほど、素敵な生き方は出来ない。

 

あいつにあって、俺に無い物

俺にあって、あいつに無い物

無いものばかりが目について、疲弊してしまう。

俺には何も無いと、ついそんな言葉を吐いてしまう。

 

 

小さな嘘と言い訳を重ねる度に、自分が嫌いになっていく。

 

大好きだった人が、そうじゃなくなる感覚。

変わるスピードが違ったのだろうか。

 

対等な存在がとても貴重だと言うことに、気がつくのに随分時間が掛かった。

 

伝えたいことも、欲しいものも、なりたいものも、よく考えたら無かった。

 

自分の写真も少しずつ見れるようになった。

 

 

 

どうか離さないで居て欲しい。

どうか対等で居て欲しい。

俺も対等になれる様に頑張ります。

 

人生、27年ならあと3分の1弱。

人生、80年ならあと4分の3。

 

思い描いた様なハタチになれただろうか。

俺はどこまで飛んでいけるだろうか。