何時

欠陥製品 杉原逸月

有給取得

いつまでロックンロール最高!って言い続けますか?

俺は多分死ぬまでです。

 

いつになったら大人になれますか?

酒やタバコを覚えれば大人になれますか?

カルビに胸焼けを覚えれば大人になれますか?

キノコが食べられるようになれば大人になれますか?

 

少年の俺。

汚れを知らない子どもの俺。

小学校3年生くらいから人生が狂い始めた少年の俺。

 

悲劇の主人公にもなれず、

勇者にも英雄にもなれず。

王子様にもなれず、

味方にも敵にもなれず。

 

働き始めて半年経ち、有給を貰いました。

休み最高なんて。そんなつまらないセリフは無い。

 

悲しい気持ちや寂しい気持ちを、バラエティ番組が緩和してくれる。

半ば無理矢理、憂鬱を笑い飛ばす。

 

携帯電話から伸びる充電コードが行動範囲を狭める。

僕はここに縛り付けられている。

いざ逃れたとしても、

充電が切れる頃には帰らねばならない。

 

社会的な地位や、補償というものがこんなにも楽だと知ってしまった。

働けば金が貰える。

休んでも金が貰える。

 

 

悴んでっけどまだ動く。

 

いつか、どこか、分からないけど、何かを好きになるかも知れない。

 

この肉体が老いていくと同時に、夢が乾いていく。

乾涸びる前に掴まねばならない。

 

ワンワン!ワンワン!

犬は声がでかいから苦手だ。

野球部みたいで苦手だ。

 

馴れ合いなんてのは、救いがないから嫌いだ。

 

いつかあのうるせえ野球部に言われた

「いっちゃんは楽しそうでいいね」

って言う嫌味。

本人は嫌味のつもりか分からないけど。

 

今の俺が応えるならば。

「楽しみってのは作らねばならんよ。君。

時間が無いってのも、言い訳に過ぎない。

時間は有限で、人は自分が生きてきた時間を人と比べたがる。

他人の過去を羨むのは構わないが、

自分の人生を卑下し、無駄や無価値だなんて言い捨ててしまうのは簡単だよ。

さて、君は明日からどう生きる?」

 

なんて、口髭を蓄え、白髪混じりのイケてるおじさまになった気分で説いてやりたい。

 

明日、明後日は暇なので、どう過ごすかを考える。

結局グダグダしてしまう。

そんな日々を愛おしく思う。

 

 

無駄なんて無いよ。

すべて正しくて、大切で、

俺が肯定してあげるよ。