何時

欠陥製品 杉原逸月

時計がうれしいって話

時計!とにかく時計がうれしい!!

カッコイイんだよ。すっげえの!

付けてる俺までカッコイイんじゃねえかな!って思うくらい!

腕についてるのを見る度にニヤニヤしてんの。

手首の太さとバンドのメモリが合わなくて、きつく占めすぎちゃって、跡がついてんのよ。

でも、あぁ、俺買っちったんだ。時計付けてんだ。って

跡を見て思うわけ。

昔はさ、時計なんか付けるなんて。時間に縛られてるみたいでパンクじゃねえ!って、大人みたいでダセェ!っておもってたんだよ。

でも違ったんだ。時間にルーズな人間ほど時間に縛られてるんだよ。

朝だって、寝坊した人よりきちんと起きた人の方が目覚めも良いし、調子もいい。

 

きっと、この時計ひとつで俺の性格に何か強い影響を及ぼすことは無いけれど。

それでもこの喜びはいつまでも胸に留めておきたいんだ。

このウキウキを持ち続けることで少年で、クソガキでいられるんだと思う。