何時

欠陥製品 杉原逸月

いつか殺してやるって思ってた。

過去で1番俺にストレスを与えた人間。

中学時代の部活の先輩。一個上のクソアマ。

 

中学は吹奏楽部で打楽器をやってて、まぁ、それなりに練習はしてた。なのに。

アイツは最高学年になった瞬間にイキリ出した

あのクソは何も練習せず、喋って俺にダメだしをしての繰り返し。

今ならハッキリわかるが当時は未熟だったからあいつの方が上手いと思ってた。

自分の方が上手いことに気付いたら自分が苦しくなるだけだから気づかないふりをしてたのかもしれないけど。

だんだん気づき始めて、そいつのせいでパート全体が下手って言われ始めた。

合奏でもやり直させられることが増えた。

後輩だから何も言えず、言葉を飲んで怒りを抑えて過ごしてた。

 

それからだんだん自分の体に異常が起きてきて、朝起きたら枕に抜け毛がえげつないほどあったり。食欲が無くなったり、蕁麻疹が出たり、お腹がずっと痛かったり。

そんなの当たり前の人も居るだろうけど、

俺にとっては大変なことだった。

 

それからは殺意との戦いだった。

死ぬか殺すか。そんなことばかり考えてた。

殺すならどう殺すか。捕まるのを覚悟で刃物で滅多刺しが気持ちいいかな。とか。

死ぬなら湯船に使ってリストカットかな。とか。

そんなことばかり考えてたから人間関係も上手くいかなかった。

イライラしてない時は無かったから、限界少年だったから、少しのことにも腹が立った。

 

でもその分練習もした。

あいつが俺より下手なことを自覚させてやろう。そう思った。

 

今考えたら愚かだし空回りの日々だった。

今考えたらアイツだけじゃなくて周りのヤツもなかなかに酷かったし、軽いいじめだった。

いじめに軽いも重いもあるのかは知らんが。

 

僕の多感な思春期にそんなことをする女が居たせいで俺は女が醜い生き物に見えて仕方が無い。女が怖い。

俺はお前を許さないし、いつか半笑いで「あの時はごめんね笑」みたいに謝ってきたりしたらきっときれてしまうけど。

大体のことは時間が解決してくれるもんですね。

このトラウマは一生引きずって生きていこうと思います。