何時

欠陥製品 杉原逸月

淡い期待

メガネを外す。

視界がぼやけて、何も見えない。

人の輪郭かかろうじてわかる程度。

誰がこっちを見ていても、それには気づかない。

声をかけられてもイヤホンは爆音。

全部遮った状態はどんな時の俺よりも素。

 

なんかお祭りシーズン見たいで、みんながワイワイしてる。

気持ち悪い。

お祭りは好きだ。楽しいし雰囲気がいい。

でも大量のポイ捨て、性欲むき出しの人間を見ると気分が最悪になる。

 

人混みをかき分けて進むほど何かがある訳では無い。

きっと前の俺なら、もしかしたらあの子に会えるかもしれない。って浮き足立って行ったと思う。

でも、今は誘われないし日程知らないし、行っても何かに期待してる訳では無い。

俺の青春はきっと終わったのですよ。

もう精神が腐り切ってしまって、青いどころ熟れすぎて黒くなってしまったようです。

こんなものは食えたものでは無い。

捨てよう。思い出も期待も。未来も過去も。

ただ、今だけは大切に。