何時

欠陥製品 杉原逸月

主人公

青春ドラマを見ていると、不安になる。

誰かを誰かが助け出す。

何時だって主人公の周りには人が沢山いる。

俺はどうだ?俺は主人公か?

自分が自分の世界の主人公になりたかった。

って歌詞を思い出して焦る。

 

俺はまだ若い。

何も諦めてない。

ただ、俺の人生には何も無い。空っぽ。

喜劇も悲劇も。なんも。

波乱万丈では無いし、人の目を引くほどのキャラクター性も無い。

特化した才能もスキルも無い。

オマケに日本の未来はお先真っ暗。

そりゃメンヘラも増えるし、自殺も多い訳だ。

でも、それをなんとか出来るほどの主人公ってのにはなれそうにない。

 

昔友達に、お前は主人公の友達見たいな奴だなって言われた。良い奴って意味らしいけど。

なんとも言えない気分になった。

 嬉しいような恥ずかしいような悲しいような。

でも俺は主人公の隣でそいつを支え続けるなんてごめんなんだ。

それならそいつを殺してヒールになりたい。

 

人生に焦燥感を感じてる。

20歳までは時間が無い。

俺はこのまま就職してそこそこ音楽が好きなそこそこの収入の人にはなりたくないんだ。

はたち をタイムリミットにしてる訳ではないけれど、社会的な大人って認められた時点で成長が終わる気がして怖い。

 

俺はモブじゃない。

俺は脇役じゃない。

俺は主人公の友達でも無い。

俺は俺だ。

主人公でありたい。

 

俺が誰かに、お前は主人公だなぁ。って言われるまで、

俺はお前とは違う!

なんて思い上がった、生意気で自己中心的で吐き気がするほど腹立たしいセリフを吐き続けようと思う。