何時

欠陥製品 杉原逸月

青春

僕の共依存的なドロドロとした初恋を、この手で無理やり終わらせたことも。

いつか殺してやるって思ってた中学時代の1つ上の部活の先輩も。

だんだんと居心地が無くなっていく家庭と俺の精神状態も。

全部若いが故に「青春」の一言で片付けられてしまう。

 

遺憾だ。誠に遺憾です。

 

初恋は別に甘酸っぱく無い。

ファーストキスは印象深く無い。

焦りも怒りも青いからなんて思ってない。

殺意も焦燥感も。

「若いねえ」みたいな全て知ってる奴みたいに上から目線で無難な言葉選んでるんじゃねえよ。

ふざけんな。

 

俺は年寄りになる前に死ぬ。

禿げたら死ぬ。

しわくちゃになってタラタラタラタラ歩くの遅いヤツになったら死ぬ。

自分の感情を抑えきれないほどに脳が劣化したら死ぬ。

若いもんには勝てんのぉ。って言ったら死ぬ。

未来の話より過去の話が多くなったら死ぬ。

最近の若いもんはって言ったら死ぬ。

昔は良かったって言ったら死ぬ。

音楽を辞めたら死ぬ。

全て悟ったような感じがしたら死ぬ。

変化を求めなくなったら死ぬ。

ロックンロールはこれだぜ。って頑なに言い出したら死ぬ。

死んだ目でマクドナルドに通いだしたら死ぬ。

美味いって言わなくなったら死ぬ。

箸もペンもちゃんと持てなくなったら死ぬ。

愛する人を殺したら死ぬ。

 

バスに乗って、年寄りを見てるとああはなりたくないって思う。

親父と話してるとこうなるくらいなら死にたいって思う。

 

変な管にグルグルに繋がれて、てめえでケツも拭けなくなる。

誰かの手を借りなきゃ布団から、ベッドから起きられなくなる。

我慢する部分の脳が劣化して怒鳴り散らすようになる。

体から悪臭が漂い出す。それに気付かなくなる。

冬に覚えた歌も忘れるようになる。

 

 

そんなのにはなりたくない。

 

 

この言葉は何年後に見たら自分がハッとするだろうか。

 

 

とっとと死ねばいい。

 

 

 

 

俺はてめえのケツくらいてめえで拭くよ。

 

 

エンドロールはこの手で作る。