何時

欠陥製品 杉原逸月

君と椅子を買いに行こう。

僕は君と結婚する。

願望は無いけど、長いこと付き合った君と。

子どもが欲しいと言う話になったから席を入れて、子どもを作った。

 

同棲する頃に、オシャレな雑貨屋さんや家具屋さんに行った。

一人暮らし用の小さい机を捨てて大きな机を買った。

僕と君、座り心地の良い奴を全部腰掛けて試して。

テーマなんか何も無く、部屋の雰囲気も何も関係なく。

ただ座り心地の良い椅子を買いに行こう。

たまに交換して。

机に二脚の椅子。向かい合わせ。

 

子どもが生まれたら、子ども用の椅子。

子どもが大きくなったら行き付けのオシャレな雑貨屋さんにまた買いに行こう。

机の周りには椅子が何脚並ぶかな。

大家族になったら机をもっと大きくしなきゃね。

それが置けるくらい大きな家にも住まなきゃね。

 

 

 

なんて妄想。

机に並んだ椅子って、家族の人数を表しててなんかいいなぁって所から始まった妄想。